主要8都市・64施設を対象に、ChatGPT・Perplexity・Google AI Modeの3媒体・18クエリで実施した国内初のホテルGEO可視性調査。SEO順位とAI推薦には強い相関がなく、ブランド力・規模に依存しない"AI時代の新たな格差"が明らかになった。
Key Findings
Overview
本調査は、国内主要8都市(東京・横浜・名古屋・大阪・京都・札幌・仙台・福岡)の主要ホテル各8施設・計64施設を対象に、生成AI検索における「AI推薦可視性(GEO可視性)」を測定したものです。
旅行者の検索行動が「検索エンジン→AI」へと移行する現在、従来のSEO上位表示とAIによる推薦は必ずしも連動しないという現実が、本調査データからも明確に示されました。
1施設あたりの最大計測数:3媒体×6クエリ=18回。推薦率は18回中の推薦回数で算出。
Main Findings
64施設中13施設(20.3%)が、3媒体・18クエリのすべてにおいて一度も推薦されない「AI推薦ゼロ施設」であることが判明した。さらに、推薦率が39%以下の低推薦率施設は40施設(62.5%)にのぼり、国内主要ホテルの大多数がAI時代の集客競争において不利な立場に置かれている。
リッツ・カールトンやコンラッドなどのラグジュアリーブランドでも推薦率が30〜40%台に留まる一方、特定のシティホテルが相対的に高い推薦率を示すケースがあった。認知度やホテルランクよりも、AI学習データへの情報露出度が推薦率を左右していると考えられる。
横浜・札幌・仙台・福岡では推薦率が高い施設が存在する一方、東京では調査対象8施設のうち7施設が推薦率20%以下という結果となった。競合施設が多い大都市ほど特定施設が推薦されにくい傾向がある。
ChatGPT・Perplexity・Google AI Modeの3媒体で推薦されるホテルは一致しないケースが多く見られた。1媒体のみで推薦される施設、特定クエリにのみ反応する施設など、媒体横断的な最適化の必要性が示唆される。
ダイワロイネット、アパホテルなどアッパービジネスカテゴリの施設で推薦ゼロが多発した。価格帯よりもオンライン情報の構造化・多様性がAI推薦に影響することを示している。
City Analysis
| 都市 | 推薦ゼロ | 高推薦率施設 | 特記事項 |
|---|---|---|---|
| 東京 | 1施設 | なし(最高22.2%) | 競合過多により全施設が低推薦率 |
| 横浜 | 0施設 | 横浜ベイホテル東急 72.2% | 8都市中最も推薦分布が均等 |
| 名古屋 | 1施設 | 名古屋東急ホテル 44.4% | ヒルトン名古屋が相対的に健闘 |
| 大阪 | 1施設 | ホテルグランヴィア大阪 44.4% | リッツ・カールトンでも38.9% |
| 京都 | 1施設 | ホテルグランヴィア京都 44.4% | Q4(一人旅)推薦が全般的に低調 |
| 札幌 | 5施設 | JRタワーホテル日航札幌 72.2% | 推薦格差が最大。二極化が顕著 |
| 仙台 | 3施設 | ホテルメトロポリタン仙台 55.6% | 中規模都市で推薦ゼロが多発 |
| 福岡 | 1施設 | 都ホテル博多 61.1% | グランド ハイアット福岡も55.6% |
Background
2025〜2026年にかけて、旅行者の情報収集行動は大きく変化した。「ホテルを探す」という行為において、GoogleやOTAの検索結果を閲覧する前段階として、ChatGPTやPerplexityなどの生成AIに質問するユーザーが急増している。
この変化が意味するのは、AIに推薦されないホテルは「検討候補に入る前に除外される」という新しいリスクの発生だ。SEO(検索順位)対策に投資してきたホテルも、AI推薦という観点では無策に近い状態にある場合が多い。
本調査で示した「AI推薦ゼロ20.3%」「低推薦率62.5%」という数字は、この問題の深刻さを定量的に示している。SEO上位ホテルでも、AIには存在しない宿として扱われているケースが少なくない。
先行調査との比較 2026年5月に公表した旅館編調査(国内主要温泉地30施設)では、50.0%がAI推薦ゼロという結果であった。ホテル編の20.3%と比較すると旅館の深刻度がより高いが、ホテルでも低推薦率施設が全体の82.8%を占めており、業態を問わずGEO対策の必要性が示された。
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